【上田市】ヤギ乳が不味いって本当?ぶどうやりんごで育ったヤギ乳のチーズは絶品でしたよ。
「りんごで育った信州牛」の美味しさは知られていますよね。ヤギの乳だって同じです。

画像提供:チーズ工房カプレット
◆「ヤギの乳=不味い」と思われている理由
牛乳でもそうですが、搾乳してから時間が経った乳は苦みがでて不味いです。青草のみを与えている山羊の乳は、青臭くなってしまいます。
逆に言えば、エサの種類を選び、搾乳後の鮮度が保たれていれば、ヤギの乳も美味しいのです。日本は牛乳のチーズが主流ですが、海外では約半分を山羊のチーズが占めているそうです。
ヤギの乳は人間の母乳に最も近い成分と言われていて、チーズにすると牛乳のものよりも甘さを感じられます。
チーズ工房カプレットでは、9月から11月にかけてはシャインマスカットなどのぶどうを、そこから翌年春までは冷蔵したりんごをヤギに与えています。
他にも上田市内の酒蔵から分けていただいた酒粕や、お米のC級品など、エサにとことんこだわっています。
◆果樹農家だからこその工夫
チーズ工房カプレットは、上田市・東御市で果樹栽培している「果実の森」が始めたお店です。現在はぶどう、りんご、桃、梨などを栽培しながらヤギも飼育しています。

雹害にあったりんご(画像提供:チーズ工房カプレット)
それまで、果樹栽培の中で生まれる規格外の果物は、穴を掘って廃棄されていました。でも、それではもったいないと感じて、ヤギの餌として与え始めたそうです。

画像提供:チーズ工房カプレット
ヤギの乳を使ってチーズを作るようになり、今度は製造過程で生じるホエイ(乳清)を肥料として利用することを考えました。

台風で落下し、売れないりんご(画像提供:チーズ工房カプレット)
初めてりんごにホエイを使った年、多くのお客様から「今年のりんごは格別に美味しい。何か特別なことをしたのか?」と訊かれたそうです。

ホエイを使ったりんご畑(画像提供:チーズ工房カプレット)
ホエイには、マグネシウム、カルシウム、乳酸菌、酵母菌など、果樹栽培に必要な成分が豊富に含まれているからです。
今では農家仲間も皆さんも、ホエイを果物に散布して品質向上を図る取り組みを行っています。ホエイの入ったタンクは、仲間が自由に持っていけるようになっています。

ホエイのタンク(画像提供:チーズ工房カプレット)
◆自然とヤギと人をつなぐ放牧地を作りたい
ヤギと果樹園で循環型農業を実現させた今、ご夫妻の次なる夢は「なかよしふれあいヤギ広場」プロジェクトです。
陣場地区の耕作放棄地を再生して、誰でも気軽に可愛いヤギと触れ合える放牧地を作り始めています。広場が完成したら、ヤギの搾乳体験や哺乳体験など、ふれあいの機会を入場無料で提供する予定です。
ご夫妻はクラウドファンディングにも挑戦中です(2025年3月末日まで)。ご興味がありましたら、お店の公式インスタグラムをご覧ください。
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